今回は、「漢方薬の誤解」第一弾。
漢方薬が効くまでの時間のお話です。

さて、漢方薬というと「長く飲ませないと効果がでない」、つまり「ゆっくり効く」薬であると思われがちです。
ですが、そもそも漢方薬だって「薬」です。
「今、どうにかしたい」
これをどうにかしようとして発達するのが医学なわけですから、当然即効性のあるお薬もちゃんとあるんです。

実は、漢方薬はその処方を構成する生薬数と効果発現までの時間に多少関係がありまして、生薬数が少ないほど効果発現が速く、一方で生薬数が多いほど効果発現まで時間がかかる傾向があります。

以前の記事で、
そもそも漢方薬はボールの多いピタゴラスイッチ
というお話をしたと思うんですが、そのボールの数が「少し多い」と「めっちゃ多い」…
どちらが早くゴールしやすいかと言えば、当然ボールの数が少ない方ですよね。

また即効性という点でいくと、西洋薬でも「舌下錠」があるように、薬は粘膜吸収され得るわけですが、漢方薬も粘膜吸収によって非常に高い即効性を持つお薬がいくつもあります。

例えばこむら返りに良く使う「芍薬甘草湯」(構成生薬2つ)などは、
「飲んだ薬が腸から吸収されて全身に…」
では説明のつかない、早ければ数十秒という極めて短い時間で効果が発現することが報告されています。

さらに、この粘膜吸収を良くするための飲み方で、
熱々『漢方液』をスプーンですくって啜りながら飲む」
という方法も提唱されています。

先ほどの芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)や、吐き気などの時の五苓散(ごれいさん)、不安な時の甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)などが良いようです。

啜っている間にみるみる効くそうですから、
ご興味のある方は是非一度お試しください。