西洋医学の「薬理」と東洋医学の考え方の違い
以前の記事で「ボールがたくさんのピタゴラスイッチ」というお話をさせていただきましたが、「もう少し詳しく知りたい」とのお声をいただきましたので、そのお話をさせていただきますね。
西洋医学の薬は、基本的に単純薬理であり、過程を解明します。
たった一つの有効成分を追い、その薬効・薬理を解明し、その再現性を確認して薬剤として認めるという作業です。
しかし漢方薬は複雑薬理で結果を観察するのです。
例え話をしましょう。
たくさんの子どもたちがいる教室の中に、5人の特技を持つ子=薬効成分がいました。
彼らにはそれぞれ薬理がありますが、それ以外のことはしません。
「スイッチ君」(スイッチを押す)
「ロック君」(鍵を開ける)
「ドア君」(ドアを開ける)
「バー君」(棒を押したり引いたりする)
「カバー君」(何かカバーされてるものを開ける)
この5人を、西洋医学ではテストで抽出し、それぞれの役割を見つけ、「スイッチ薬」「ロック薬」などを作っていきます。
しかし、ここで「噴水から水を出したい」という状況が出てきました。
この噴水は、実は
「鍵のついた棒で閉ざされたドアの中にある、カバーのついたスイッチを押すと水が出る」仕掛けになっているのですが、西洋医学は「噴水直す君」や「水道確認君」を探し始めます。
何しろ、上の5人は、『噴水』や『水』と無関係で、その証拠に、『どの薬を飲んでも(2、3種類まとめてすら)』水は出て来ないのですから。
5人をちょうど良く現場に向かわせることが出来れば、噴水の水を出すことができるはずなのに…。
これが体の外なら、噴水の近くにある怪しいドアをひたすら研究して、ドアの中のスイッチまで行き着くことも出来るかもしれません。
しかし、薬を効かせるのは人の体の中ですから、中々そう上手くは行きません。
じゃあ、東洋医学はどうやって噴水から水を出せるようにするのでしょう?
その答えは、次回!