漢方薬の誤解、第二弾です。
漢方薬はお年寄りが飲む薬というイメージがどうにも強いようです。

まぁ、美味しくないので子どもが好みそうにはもちろん思われませんけれども…

やはり江戸時代の中頃から西洋医学が入り始め、さらに明治、文明開花と西洋の先進科学が日本で隆盛を極めるようになっていく中で、漢方薬が古臭い伝統のように思われていった流れは確実にあるでしょう。
また、その中ではある程度の年齢を重ねた人ほど、新しい西洋医学の薬を「得体が知れない」と避け、自分達が慣れ親しんだ、伝統的な薬を好んだ傾向も間違いなくあったものと思われます。

医者の方も、若い人たちは新しく、且つ系統立てて学校で教わっていくことの出来る西洋医学を学び、東洋医学を続ける医者はどんどん歳老いていく。

「目新しい診察機器を使い、シンプルに『この症状、この検査所見にはコレ』という処方」

クリアカットな西洋医学に対して、

「診察機器も使わず、原始的な方法で診察し、『同病異治、異病同治』と処方が複雑」

のため、どこか曖昧な印象を与える東洋医学

何というか、社会の流れで「お年寄りの薬」というイメージが強まっていったというのも、当然といえば当然でしょうか。
でも、前の記事でもお話しした通り、

「今、どうにかしたい」

これをどうにかしようとして発達するのが医学なわけですから、

「子どもはまぁ仕方ない。ほっとこう」

なんて、あるはずがないんです。

基本的には大人と同じ選び方で、量だけ調整することによって子どもにも当たり前に使われてきましたし、
そもそも子供の症状のために開発された処方もあるんですよ。

例えば、抑肝散という処方があります。
TVで紹介されたこともあるようですが、むしろ認知症などお年寄りのための薬としてだったようで(笑

でも、この薬は本来子どもの癇の虫のための薬なんです。
夜泣きの薬の代表選手でした。

また、これまたお年寄りでよく使われるお薬として八味(地黄)丸というのがあるんですが、これを子ども用にカスタマイズしたのが始まりの六味丸という薬もあります。
これは小児薬証直訣(ショウニヤクショウジケツ)という、中国の、そして恐らくは世界でも現存する最古の小児科専門書に登場するんですよ。

そんなに昔から、子ども専門の薬まで考えていた。
すごいですよね。漢方薬。